ぴかまく公論 ハイブリットSEP処理

2011 年 5 月 2 日

 「ハイブリットSEP処理」

S・E・P技研株式会社
中西顕郎

 

以前、当欄にてSEP処理については紹介させていただきましが、今回はそのSEP処理の進化系、ハイブリッドSEP処理について紹介させて頂きます。

そもそもSEP処理は製品の小型化や精密化に対応するため、化学的に溶解させてバリを除去する方法として開発しました。

この技術は小さなバリや薄いバリには非常に有効に機能するのですが、大きなバリとなると処理コストの問題や、溶解量の問題等で苦手としてきました。

そこで、従来のバレル等のバリ取り技術と組み合わせることで、SEP処理が苦手としていた大きなバリの除去やR付け等の問題を解決することができました。

通常のSEP処理ですと全体が溶解するためエッジは数ミクロンのRは付きますが、一般的に言われるR付けは不可能でした。

そこで、バレルとハイブリット化することにより、エッジの部分にバレルの石が当たり、R付けが可能となり、さらに大きなバリの除去も可能となりました。

また、大きめの石を使うことによって、バレルで問題となる石噛みの問題が解決できたうえ、バレルの石が当たらない底部やスミ部、クロス穴の中のバリの除去や内径面の粗さの改善はSEP処理により改善することができ、技術の相互補完が可能となりました。

                   処理前                     処理後

  

  

今までできなかったことを可能にする中で、ハイテクだけでなく、ローテクの組み合わせ方や、ちょっとした工夫で、技術は進化します。

SEP処理も液の開発だけでなく、様々な方法を検討し、不可能を可能にしていきます。

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