ぴかまく公論 「シルバー調3価クロムめっきプロセス」

2011 年 3 月 13 日

柿原工業株式会社

王路 貴史

 
 柿原工業では,めっき部品の製造を行っておりますが,弊社の樹脂(=プラスチック)めっき部門では,従来の樹脂めっき方法のほかに,環境に優しい「ダイレクトめっきプロセス」や,「銅フリーめっきプロセス」「ダーク調3価クロムめっきプロセス」などの量産化を行ってまいりました。
 
そして,このたび2つの新たなめっきプロセスを量産ラインに導入しました。
その1つである「シルバー調3価クロムめっきプロセス」についてご紹介いたします。
 
 このめっきプロセスは,樹脂めっき部品を製造する際の,最終プロセスである「クロムめっき」工程で,従来は6価クロムを使用しておりましたが,この6価クロムを排除し環境負荷の小さい3価クロムを使用したプロセスになります。
上記、「ダーク調3価クロム」もこのプロセスではあるのですが,違いは色調が「ダーク」ではなく,従来の6価クロムで製造しためっき部品の色調に近い「シルバー」調であるという特徴があります。しかも耐融雪塩耐食性に優れており,極寒地域の自動車部品へ採用が検討されており,現在弊社では量産ラインでの試作を行っております。
この「シルバー調3価クロム」は何度もぴかまく公論で取り上げさせていただいたように,平成21年度の「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」の採択を受け,6価クロムを使用しない樹脂めっきプロセスについての研究を行っておりましたが,この研究の成果を量産ラインに導入することが出来ました。
 日刊工業新聞が次のよう名記事で取り上げております。
 
■極寒冷地の融雪剤にも耐える3価クロムめっきが日刊工業新聞に(2010.12.24)
 この白色3価クロムめっきは、従来のクロムめっきよりも耐食性に優れており、ロシアなどの極寒冷地で使われる融雪剤に起因する自動車めっき部品の腐食にも非常に効果があります。融雪塩試験(塩化カルシウムに対する性能試験)では、600時間以上異常なしが確認済。
 
 
柿原工業では6価クロムをはじめとした環境負荷の高い物質を使用しない表面処理技術に積極的に取り組み、安全で環境にやさしい製品をお客様に提供しております。
→ 技術情報ページ
 
 この量産ラインに導入したもう一つのめっきプロセスについては,また機会がありましたら紹介させていただきます。
 
 また,弊社のホームページをリニューアルしました。ぜひご覧ください。ホームページはここ
 
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