ぴかまく公論 ミャンマー・カンボジア見て歩き

2010 年 11 月 1 日

株式会社 ナガト
内田弘之
 

『ミャンマー・カンボジア見て歩き』

タイ、ベトナムはこれまでにも何度か訪問したことがあり、状況は何となくではあるがわかっていたのだが、初めて訪問する国に対してはとても興味がある半面不安を持ちつつ旅立った。

●ミャンマー(ヤンゴン)へ
 最初の訪問国であるミャンマー(ヤンゴン)では古い日本の車が多く走っていることにびっくり、特にバスは左側通行用のドアが付いている日本の中古車(関東エリアのバスが目立った)に右側通行用(ミャンマーは右側通行)のドアを取り付けて走っている姿にさらにびっくり、こんな再利用の方法があるのだと感心させられた。
多民族であるが故の軍事政権が経済に与える影響は大きいのだが、低迷しながらの安定成長は続いており農産物などの一次品が貢献している。資源もあり近隣友好国への輸出やパイプラインでの供給も行っている。
日系企業動向としては労働集約型産業、特に衣類と靴が急成長しており、対日輸出の約60%を占めている。その方法は委託加工形態(登記も必要)にすることで原材料の輸入免税が受けられる(ただし完成品は100%輸出)。ワーカー賃金は月額40~50US$でタイの約1/4、ベトナムの約1/2で今後も日本企業の進出が進む国だと感じた。
(上写真:日系の縫製工場の作業の様子(ミシンでの流れ作業) )

●カンボジアへ
次に、カンボジアにはタイから陸路で入国(飛行場以外の場所での入国審査は初体験)。
第一印象はまだ未開発地域なのか(地雷は大部分が撤去されているらしい)緑が多く、家はまばらといった感じ(首都プノンペンは都会であった)。
(右写真:バスの車窓からカンボジアの田舎町風景(水害対策の高床式住居))
日本から進出している企業でカンボジア日本人商工会を結成されており、会員数は57社(しかし1年半で21社増加)であるが、3年後は300社になることを期待されていた。経済成長率は10年間平均9.4%と伸びているものの、貿易収支はマイナス約14億ドルと厳しく、アンコールワットなどの観光収入でカバーしている。
政治は民主主義であり安定しており、投資優遇も魅力的であり、ミャンマーと同様に労働集約型産業の縫製や製靴などの進出が期待されている。

●日本への期待
今回の企業訪問や経済特区での説明で感じたことは、両国とも日本という国にODAも含めて大きな期待を寄せていることが分かった。安い人件費を求めて、海外に進出するには残された数少ない東南アジアの国であることは事実で、市場としてもまだまだ発展していく可能性が高い。
残された課題は、道路、電力、水といったインフラの整備をいかに行えるか、中国(共産主義)やベトナム(社会主義)のような急速な発展についていけるのか、などあると思うが、3年後の状況をもう一度見てみたいと強く感じた。

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