通算第10回 ぴかまく研究会 開催

2010 年 8 月 9 日

 去る8月6日に通算 第10回ぴかまくモール研究会を行いました。

 今回は柿原工業株式会社を会場として、引き続き検討を進めている開発テーマ、新たなテーマ検討のための情報提供などを行い、精力的にディスカッションを行いました。

柿原工業では樹脂めっき製品のリサイクル工場を見学。見事に金属と樹脂が分離される行程に参加者全員で興味深く拝見いたしました。樹脂成型から表面加工、廃棄物処理、リサイクルまで一貫した樹脂めっき生産工程には、柿原工業の製品に対する責任を強く感じた次第です。技術開発力もさることながら社会的な責任にまで及ぶ企業力に感心しました。

微生物腐食(※1)への防錆実験が引き続き進められ、ご指導頂いている兼松先生から実験結果が報告されました。また兼松先生から「生物付着と微生物腐食」と題して、国際会議の状況などもお話頂きました。
引き続き金属ガラス(※2)の応用研究についてメンバー企業から報告があり、これからの進捗について報告がありました。

今回のゲストは大阪大学接合科学研究所 スマートプロセス研究センター 桐原先生から「スマートプロセス(※3)」のご案内と具体的な技術活用について講演を頂き、たいへん興味深くお話を伺いました。今後ぴかまくモールの新しい開発テーマに発展させることを期待する内容でした。

また、株式会社Lafla 宥免社長から「クラウドコンピューティングの現状と業務システムの応用」についてご案内を頂きました。クラウドという名前が最近盛んに聞かれるようになりましたが、宥免社長から具体的な活用方法をわかりやすく解説があり、会員企業内での活用が期待されます。

研究会終了後の懇親会は、夏といえば沖縄!ということで沖縄料理店で更に熱い情報交換を行い、お開きとなりました。

今年度は今後の活動として研究交流会、研究会を企画開催していく予定です。
引き続きぴかまくモールにご期待下さい。

ぴかまくモール 事務局 中国地域ニュービジネス協議会 桑原 良弘

※1 微生物腐食
微生物腐食とは,金属材料が微生物の存在下で,直接的あるいは間接的な影響を受け,激しい腐食を受ける現象である。(日本溶接協会ホームページより抜粋)

※2 金属ガラス
金属元素を主成分とする非結晶性の合金で、ガラス転移が明確に観察されるアモルファス金属である。(ウィキペディアより抜粋)

※3 スマートプロセス
精密設計により必要な箇所に材料とエネルギーを必要な量だけ高精度に投入または配置することで、新たな機能発現や高機能化を図る先端的なものづくりの概念である。スマートプロセスの開発には、レーザーや電子ビームを用いたピンポイント的なスマートビームプロセス、低温焼成や高速焼結によるスマート焼成プロセス、CAD/CAM システムを用いたスマート造形プロセス、超高集積化を図るスマートコーティングやパターニングプロセス、自己組織化や異方性成長を利用したスマート組織制御プロセスなど、さまざまなアプローチが考えられる。この結果、構造と機能が一体となったフォトニクス材料、誘電体材料、電磁波制御材料、傾斜機能材料、エネルギー変換材料、センサー材料、生体材料等への新たな展開が望める。(関連シンポジウム セッション概要より抜粋)

 

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